勝敗とボール保持率 ― 2015/01/10 08:00
興味のあるサッカー論を読みました。紹介します・・・
ポゼッション率を高めるためには、ピッチ上の11人全員の足元のスキルに加え、状況に応じたポジショニングが求められる
そういった選手をそろえるには、それなりのバジェットが必要で、そのスタイルを確立するためには時間もかかる。
実際、多くのクラブがバルセロナやスペイン代表のような華麗なパスサッカーを目指しながらなかなか実現できていない。
その反面、スピードがあり、シュートがうまいストライカーさえいれば、あとは守備を組織することで可能なカウンターは資金や人材が不足しているチームには採用しやすい
そして、カウンターという戦術は相手にボールを保持させ、それを奪って素早く相手ゴールに目指すので必然的にポゼッション率が低くなるが、あくまでも結果論であり、必ずしも力の差ではない
サッカーでは相手がいる状況でしっかりボールを持つ、つなぐというスキルに大きな差が出る競技だ。ポゼッション率が高いチームには、そうしたスキルを有する選手が集い、それを志向し実践できるチームだ。
このデータからは、ボールをキープする能力が高いチームが上位にいることが分かる
しかし、そういうチームでも負けてしまう事があるのがサッカーという競技であり、同時にこの競技の面白さでもある。
ポゼッション率が高いか低いかというのは単にチームの強弱を表す指標では無く、チームのスタイル、あるいはボールを失わない技術の高さを示す指標だと言える
ワールドカップ期間中はポゼッション率というデータを目にしたら、それを単に力の差として見ずに、それぞれのチームがその試合に臨むにあたって考え抜いた戦術を反映する指標だと思って試合観戦すれば、それまでと異なった見方ができるかもしれない
ポゼッション率の優劣は試合結果に必ずしも結びついていない。確率論で考えると、ボールを保持している時間が長ければ、その分相手に攻められる時間が少なく自分たちのチャンスが増えるはずだ
それによって勝率は高まるはずなのだが、そうはならなかった。ポゼッション率が高いチームが必ず勝つかというと必ずしもそうではないのがサッカーの面白いところだ
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